ロンドンでの日々の暮らしを、ご報告申し上げます。


by pitakoaiko
カレンダー
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31

終戦記念日のすいとん

8月15日、この日の藤亀亭の夕ご飯は、去年から「すいとん」に決まっています。
終戦記念日のすいとん_c0178022_9192610.jpg

まだまだ娘は戦争という言葉にはピンと来ていませんが、食卓がいつもと違うのにはすぐに気がつきました。
どんぶり一つだけの食卓に、
「他のは無いの?」
と聞いてきた娘。すかさず主人が、
「戦争中は、食べ物があまり無かったんだよ」
と説明しました。そして私も、
「だから、白いご飯もなかなか食べれなかったんだよ」
それを聞いた娘、
「じゃ、赤いご飯は?」
私、一瞬ひるみましたが、あぁ、お赤飯ていうのがあったねぇ。
「赤いのは、もっと食べられなかったよ」
「ふ〜ん」

それから、戦時中すぐに空っぽになったキャラメルの自動販売機にあきらめず、通るたびにお金を入れていた「トットちゃん」の話をしたりしました。
ま、娘は、そもそも自動販売機もわかっていないので、また来年、同じ話をすると思います。
ちなみに主人、今年も「すいとん」って何だったっけ?と聞いてきました。こちらも来年、同じ説明が必要かな・・・

で、そんな主人と話しながら気がついたのですが、私の両親は共に戦前生まれ。
5歳前後で終戦を迎えています。つまり、私の祖父母は、戦時中に今の娘とあまり変わらない子供を育てていたのだな、とその想像し得ない苦労を思いました。
毎日の衣食住だけでなく、今の娘のように無邪気な質問を、次から次としてくる年頃の子たちに、明日の分からぬ親は何と答えてやれるんでしょう・・・

今、地球上のアチコチにある戦火の中、子育てをしている人々のことを考えると何とも言えません。
ただただ平和を祈るばかりです。

去年の終戦記念日の記事はこちらです。
今年のすいとんは、娘も食べられるように小さくして、片栗粉も混ぜました。
そして、昆布出汁に「友の会」で作った手作り味噌。
戦時中の苦労を忍びたかった作り手の意に反して、そして見た目にも反して・・・とっても美味しい「すいとん」になりました。
by pitakoaiko | 2013-08-15 23:17 | 特別 Special days